<銀曜変アイとは>
窯変・曜変・耀変(ようへん)と言われるものは、曜変天目茶碗が有名ですが、最も古いものでは中国の南宋時代の作品。窯変とは製陶用語で、釉薬が酸化炎、中性炎、還元炎を使い分けることにより窯の内部で生じた色の変化の事。
漆黒の器で内側には星の様にも見える大小の斑文が散らばり、斑文の周囲には暈状の青や青紫で、角度によって玉虫色に光彩が輝き移動する。
以上が陶磁器の曜変天目の簡単な説明です。
ガラスでも同じような現象を起こすことが可能です。
窯→バーナー、土→ガラス、釉薬→銀を使用することで曜変天目の色を出せます。
その過程は作成される方それぞれが違い、試行錯誤を繰り返して色を出されております。
私の技法は長い年月をかけて実験に実験を重ねて生み出されました。
銀濃度、使用ガラス、炎の使い分けそれぞれを可能な限り組み合わせていった結果、お出ししている商品の色が出ております。
角度により玉虫色の光を放ちます。
今のところ他のアイには見受けられないので、独自の技法かと思われます。
ただ、偶然性が高い技法の為、両目が全く同じ色という事が出来ません。
その違いから生まれる、光の放ち方、色の変化をお楽しみ頂けたらと思います。
古くから存在する技法。
そこから新しいもの、魅力的なものを産み出していきたい。
強い願望を持ち日々制作しております。
<製作への想い>
ガラスという素材は流動して固まる。技術を磨けば磨くほど、ガラスと仲良くなればなるほど表現できるものが無限に広がります。
そこには終点はありません。
グラスアイを作成しているのは、ご自分のドールの要となる目(アイ)を心を込めて制作して頂きたい、という思いから講座を開き、微力ながらお手伝 いさせて頂いておりました。
独立して作り手へ進んだのは、見たことのないグラスアイを完成する事が出来たからです。
このアイを嵌めたドールを見たい。純粋にそう思いました。
グラスアイはそれだけでは完成していないと思います。
人形の作り手様、オーナー様の手に渡りその子に嵌ってこそ魅力が発揮されます。
様々な方とコラボレーション出来る。感動を共有出来る。そして人形が愛されれば愛されるほど長い年月存在出来るのです。
作り手にとってそれはとても魅力的で、刺激的です。
故飯降喜三郎氏のような、何十年経ても愛されるグラスアイを作成して行きたい。という思いで日々制作しております。
アクセサリーやガラスの球体関節人形はグラスアイと並行して作成出来たら、、、と思っております。
が、産み出すまでの精神力が物凄くいるので頻繁には出品出来ません。
気長にのんびり見守って頂けたら幸いです。
波岡 恵子(なみおか けいこ)
〜略歴〜
2001年 独学でとんぼ玉を始める
2003年 大鎌康弘氏に師事、同時に(有)喜南鈴硝子にて働く
2008年 kinari横浜店を開店と共に店長兼講師を務める
とんぼ玉、ペンダントトップ、フィギュア、グラスアイの講座を開く
2018年 独立
関与書籍
自分で作るとんぼ玉&ガラスアクセサリー
自分で作るとんぼ玉&ガラスアクセサリー2
LAMMAGA(ランマガ)Vol.24,32,33